ヘモグロビンA1cのコントロール
薬を使わず、食事と運動による血糖コントロールする場合、重要なポイントはへモグロビンA1cを目標とすることです。糖尿病実態調査で糖尿病を強く疑う、という指標にもヘモグロビンA1cが使われています。ヘモグロビンA1cは、赤血球中の酸素を運ぶ役割のあるへモグロビンにブドウ糖が結合したものをヘモグロビンA1cと呼んでいます。
血糖値は食事による変動が大きいのですが、赤血球は、寿命が120日程度と長いので、へモグロビンA1cを測ることで2〜3力月間の平均した血糖状態を知ることができます。このことから、糖尿病患者の診断や治療効果を見る指標になつています。
へモグロビンA1cの場合は血糖値のようにミリグラムでの表示ではなく、パーセントで表されます。つまり、何パーセントのへモグロビンに糖質が結合したかで値が決まり、血液中の血糖値が高ければ高いほど、へモグロビンA1cの値も高くなるのです。
ヘモグロビンA1cの値は、合併症のリスクとよく連動していることが知られており網膜症、腎症などの合併症のリスクは、ヘモグロビンA1cが9%台から一急激に跳ね上がります。そして、へモグロビンA1c6%台に保てれば、合併症のリスクは平常入とほとんど変わらず、7%台でも、数パーセント、リスクが高まるだけです。
つまり、日々の血糖値ももちろん大事ですが、この長期の血糖値を見るヘモグロビンA1c6%台に保つことを目標にすると、合併症のリスクはほとんど心配しなくていいことになります。
ヘモグロビンA1cは病院での検査が必要です。少しわずらわしいかもしれませんが、将来の合併症を予防するためにも定期的に測定し血糖等とともに確認していくことが重要です。